
円安が進んでいる。ユーロやポンドの減価は2022年10月で止まり、レートはコロナ以前の水準に戻っている。
アメリカの金融引き締めの影響によるドル高は22年秋に終わったのに、円だけがコロナ禍前より大幅に減価したままなのは、日銀が金融正常化宣言にもかかわらず金融緩和を継続するとしているためだ。
東京外国為替市場で3月27日、ドル円レートは一時、1ドル=151円97銭となった。
市場為替レートだけをみれば、1990年以来34年ぶりの円安ということになる。
ただし為替レートのあるべき水準を示す購買力平価(IMFの試算では2024年で1ドル90円程度)と比べれば、さらに大幅な円安だ。両者の差がこれほど開いたのは1980年代前半以来のことだ。
その意味では「40年ぶりの円安」ということになる。
2022年10月までは、FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げの影響でユーロやポンドも減価していたが、利上げ打ち止め感が出た後は、ユーロもポンドも上がり、いまではコロナ禍前の水準にほぼ戻っている。
日本円だけが戻っていない主因は、日本の金融政策だ。
日本銀行は3月の金融政策決定会合でマイナス金利解除など、異次元緩和をやめ金融政策の正常化に踏み出したが、金融緩和は続けるとしているからだ。
以下略
https://diamond.jp/articles/-/341500