ウクライナ侵略を続けるロシアが近く大規模攻勢に出るとの観測が強まり、ウクライナが警戒している。ロシアはウクライナ軍の弾薬不足が続いている間に占領地域を拡大する思惑だとみられる。ウクライナは最近、露本土の石油精製所などにドローン(無人機)攻撃を活発化させており、ロシアの継戦能力を低下させようと躍起だ。

【写真】ウクライナの支援団体から提供されたドローン(無人機)を点検するウクライナ軍兵士

■弾薬不足、深刻化

ウクライナのゼレンスキー大統領は3月末、米CBSテレビのインタビューで、昨冬からの露軍の攻勢を「何とか食い止めた」と説明。ただ、「5月末か6月」に露軍が再び大規模な攻勢に出ることが予想されており、欧米諸国の軍事支援が不可欠だと訴えた。

露軍が近く大規模な攻勢に出る可能性は、米シンクタンク「戦争研究所」や複数の欧米メディアも指摘。その地域としては、露軍が全域の制圧を狙う東部ドネツク州のほか、南部ザポロジエ州や東部ハリコフ州などが挙げられている。

攻勢予測の背景には、欧米の支援停滞でウクライナ軍の弾薬不足が深刻化していることがある。最近の露軍の砲弾発射量はウクライナ軍の少なくとも数倍。露軍はウクライナ軍の防空力が低下したとみて航空機による空爆も激化させている。

https://news.yahoo.co.jp/articles/ab73edce522865c9925a6083c7a2e2b2c57fa98a