1人の男性NPCの存在でゲームそのものが危機に「ドールズフロントライン2」

2023年12月に中国でサービスが始まった「ドールズフロントライン 2: エクシリウム(原題:少女前線2: 追放)」は、ベータテストで1人の男性NPCの存在がきっかけで炎上し、リリースが一度延期され、中国での評判も失墜してしまった、もっともわかりやすい例だろう。

ドールズフロントラインは銃を女性擬人化したゲームであり、「ドールズフロントライン2」はその続編にあたる。ドールズフロントラインの1作目は人気があり、続編もそれなりに注目されていた。

詳しくは調べてみてほしいが、簡潔に説明すると「黛煙(95式)」というキャラクターが、「レイモンド」というNPCに優しい態度を取り、約1時間半のストーリーの中で、黛煙が50回「レイモンドさん」と呼んだことは、熱心なプレイヤーを勘違いさせるには十分だった。

ベータテストでこのストーリーを読んだプレイヤーは「寝取られ」だと騒ぎ、怒りの声を上げたのだった。

この炎上騒動で、「ドールズフロントライン2」はゲームのローンチ自体が延期されるまでになってしまった。サービス開始後も「ドールズフロントライン2」の人気は低調なままで、レイモンドがもたらした損失はあまりにも大きい。

「ドールズフロントライン2」の事件(?)は、「有男不玩」の支持者を一気に増やすきっかけの一つなった。

参考:少女前线2:黛烟雷蒙事件总结,绿帽子就戴在玩家头上

発表されたばかりの新作。男性主人公がいるだけで炎上し「男性キャラはいません」と訂正

2024年3月に発表されたオープンワールドRPG「アズールプロミリア」だが、このゲームも中国で「有男不玩」運動のターゲットになった。

アズールレーン等で知られるManjuuによる最新作「アズールプロミリア」のトレーラー第1弾に登場するキャラクターは全て女性で、キービジュアルにも女性キャラクターしか描かれていなかった。

しかし、公式アカウントでは主人公の性別が選択可能であることが発表された。

直後、公式アカウントの投稿には9万を超えるコメントが殺到し炎上した。中国の二次元ゲーマー達は、たとえ主人公であっても、男性キャラクターが登場することを許さなかったのだ。

運営会社はすぐに反応。

炎上した翌日には「アズールプロミリアには女性キャラクターのみが登場し、インターネットに投稿された画像は事実ではありません」と方針を一転させたのだった。

中国のアニメ系スマホゲーム界隈では、まだゲームがリリースされるどころか、ベータテストすら行っていない段階でも、これだけの反発が起きてしまうようになった。