40分ほど経過したところで協議は暗転。同席していたバンス米副大統領が、
ロシアのプーチン大統領に厳しい態度をとったバイデン前大統領と違い、トランプ氏は
積極的な外交に乗り出していると語ったのに対し、ゼレンスキー氏は2014年に
南部クリミア半島をロシアに違法に併合され、トランプ1次政権を含む歴代米政権が
プーチン氏を止められなかった経緯を話し出した。「いったいどんな外交をするのか」と
問われたバンス氏は、そこで「米メディアの前でそう主張するのは失礼だ」と口火を切った。

 バンス氏は昨秋の訪米時にゼレンスキー氏が激戦州ペンシルベニアの陸軍砲弾工場を
民主党議員と訪れたことを持ち出して「相手側の選挙運動をした」とやり玉にあげた。
「この会談を通して一度でも(米国の支援に)ありがとうと言ったか?」などとまくし立て、
「何度も感謝を述べている」と反論するゼレンスキー氏と応酬に。さらに、ウクライナの
安全保障は欧州と大西洋を隔てた米国の問題でもあり、「いずれそう感じるだろう」と
主張したゼレンスキー氏を、トランプ氏が「我々がどう感じるかは、あなたが決めること
ではない」と強い口調で遮り、「あなたは今、本当に良い立場にいない」
「あなたは第3次世界大戦をけしかけているようなものだ」「あなたの兵士は不足してい
る。それなのに停戦は望んでいないと言うのか」などとたたみかけた。


ヴァンスの煽りにのったゼレンスキーの負け