私の専門の「スラヴ諸語」でいえば、ロシア語とウクライナ語は近い言語です。もちろんアクセントを強調しがちなのがロシア語で、ウクライナ語はそうではない、というように近くても違いはありますが、やはり地理的な影響は大きい。ロシア語とポーランド語の間がウクライナ語、ロシア語とウクライナ語の間をとるとベラルーシ語という印象ですね。

その観点から英語の話をすると、日本語とは語族がまったく遠く、地理的にもかなり遠方です。比較言語学の見地から、日本語が母語の人が最初に学ぶ言語が英語という状況は、非常に厳しい。ロールプレイングゲームで、「最初の村の隣がラスボスのダンジョンだった」といえばわかりやすいでしょうか(笑)。

漢字が理解できる中国語や、地理的にも近い韓国語、インドネシア語やタミル語などが、日本語が母語の人にとっては学習しやすい。ヨーロッパ圏なら、スペイン語のほうが、発音しやすいという点で英語よりもとっつきやすいでしょう。

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