カプコン「格ゲー」復権へ正念場 「スト6」担当に聞く

カプコンは6月に、7年ぶりのシリーズの新作となる格闘ゲーム
「ストリートファイター6」を発売する。「スト2」が全盛期の1990年代に
「格ゲーブーム」を巻き起こした同シリーズだが、足元の熱気は当時には及ばない。

「裾野を広げないと、もう後がないかもしれない」。プロデューサーの松本脩平氏に、
令和時代のストリートファイターの戦い方を聞いた。

――これまでの課題をどうみていますか。
「格闘ゲームで遊ぶ人が減っている危機感がある。ストリートファイター自体は
遊んだことがあると言う人は多いが、『最新作は?』と聞くとシーンとなってしまう。

「30~40代の人はゲームセンターでスト2のブームを体感しているが、20代は
ストリートファイターやゲームセンターでの流行を知らない。20~30年後まで
シリーズが残り続けるためには、今から何か取り組まないといけない。
今が本当に最後のチャンスかもしれない」

――「スト6」では間口の広さをどう工夫しましたか。
「ボタン1つで『波動拳』などの技が出せる、操作モード『モダンタイプ』を追加した。
これまでは操作を覚えるのが大変で、楽しめるまでに時間がかかる人も多かったが、

コマンド操作を楽にした分、相手との間合いの取り方やコンボの出し方など、
格ゲーの本当の楽しい部分を感じてもらいたい」

「モダンの他に、相手との間合いやコンボまでAI(人工知能)が調整してくれる
『ダイナミックタイプ』も用意した。例えばお正月に親戚が集まった時などに、
ダイナミックなら世代を超えて一緒に遊んでみようかとなるかもしれない」

――これまで途中で遊ばなくなる人は多かったのですか。
「離脱率はだいぶ高い。格ゲーは50%の確率でどちらかが負けるゲームだ。
負けてストレスを感じれば普通は『もういいか』となる。格ゲーはなかなか遊んでもらえない。」

「もう一回やってみるかと思ってもらう意味では、スト6では『褒める』仕様も重視した。
(キャラクターの)リュウや春麗が『師匠』となるストーリーモードでは、技を習得できると
師匠が褒めてくれる。

初導入する自動実況モードでは、解説で決まった技を褒めてくれる。ゲームは
楽しくないと意味がない。少しでも続けるモチベーションを高めたかった」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF068FG0W3A300C2000000/