SDGs第1項の達成に本当に必要なこと

最後に、11月14日に閉会したCOP26について少し触れたい。

オブザーバーの環境NGOが多く参加していた中、日本の若者たちも、政府に石炭火力の早期廃止を求めて気勢を上げていたが、勘違いも甚だしい。

日本製の石炭火力プラントは世界一クリーンで、燃焼効率が良く、だからこそ世界中で引っ張り凧だった。
ところが政府はEUに歩調を合わせ、火力プラントの輸出支援は停止する方向で検討している。
政府系金融機関による低金利融資が止まれば、火力にはお金が回らなくなる。これを環境派の勝利と喜んでいる場合ではない。

世界には、電気のない生活をしている人たちがまだ14億人もいるという。
電気がなければ産業の発達は望めず、快適な生活はもちろん、教育も平等も自由も何も手に入れることはできない。

彼らが必要としているのは安価で安定した電気であり、それを実現可能にするのは石炭火力発電所だ。
それとも私たちは石炭を排除して高価なガスを使いながら、途上国の人々には、
「あなた方は再エネで経済発展を試みてください。それなら援助します」というのだろうか。

日本政府が途上国の開発援助でできる最良のことは、クリーンなハイテク火力発電所を建てることだ。
しかも、それが日本の輸出の目玉産業であるのだから、日本政府は全力で応援してしかるべきだろう。

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/89664?page=6