ニューヨークで、ワキガ好きのためのパーティーが注目を集めていると、米「ニューヨーク・タイムズ」紙が報じている。

これはイースト・ヴィレッジにあるバー「ノーウェア」で、ワキガフェチのゲイ向けに開かれているイベントで、その名も「フェロモン」。これを主催するフィリップ・マイナー(40)は「在宅勤務でデオドラントをつける必要がなくなり、自分の体臭が良い匂いに感じるようになった人は多い」と話す。

イギリスのスタイル誌「フェイス」によれば、ベルリンやロンドンでも体臭を売りにするゲイクラブは増えているそうだ。

だが人々がこうした“特別な”香りに魅了されるようになったのは、最近のことではない。70年代には、ゲイの人たちがズボンの後ろポケットにマゼンタ色のハンカチを入れていると、「ワキガフェチである」ことを意味していた。

とはいえ、この日のシフトはバーのスタッフにあまり人気がない。店が混んでくると、それまで黙ってビールを飲んでいた男たちが、今度はシャツを脱いで黙々とビールをあおりはじめる。そして室内に漂う匂いも、時間が経つと共に濃厚さを増していく──。人間が放つアロマには、マスクも打ち勝てない。

一方で、参加者の評判はそう悪くないようだ。ニューヨーク・タイムズによればこのイベントのテーマに気づいていない客もいたそうだが、フロリダ州からわざわざやってきたカップルもいたという。そして感極まった1人の男性客は、深く息を吸い込んで誰にともなくこう叫んだ。

「オー・マイ・ゴッド、めちゃくちゃ幸せだ!」

https://courrier.jp/cj/279239/