1日200個の荷物・ガソリン代は自己負担…立場弱い宅配個人ドライバー「自由なんてない」

個人事業主は企業と対等な立場で、委託された仕事をどのように進めるかは、自分の裁量で決められる。

しかし、是正勧告を受けた「丸和運輸機関」(埼玉県吉川市)から業務委託されていた30歳代の男性は
「荷物と時間に追われ、自由や裁量なんてない」と打ち明ける。

男性を含む複数の個人ドライバーによると、集配所に荷物を取りに行く時間は定められ、
1日あたり200個前後の荷物を担当。配達が早く終わっても、
遅れている別のドライバーの荷物を引き受けるよう会社から指示され、
1日に働く時間は12時間以上になることもある。
どれだけ運んでも報酬は1日で固定だ。

配達状況は、スマートフォンの位置情報で同社に把握される。
契約で月に働く日数が定められているが、「人手が足りない」と急な休日出勤を求められることもある。
契約書には同社の指示に従うよう記され、違反すれば契約を解除される項目があるという。

同社は取材に「契約内容は答えられない」としている。
しかし、是正勧告は、個人ドライバーとの間に事実上の雇用関係が認められるとする内容だった。

男性は「不利な扱いを受けるかもしれないので会社には逆らえない。ガソリン代などの諸経費は自己負担。
こんな働き方とは思わなかった。安上がりな労働力としか見られていない」と話す。

同様の働き方は他社でもある。

同じくアマゾンの荷物を運ぶ50歳代女性も、神奈川県内の運送会社からスマホで位置情報を把握され、
配送中に何度も指示が飛んでくるという。「仕事の内容は社員と変わらないのに、何の補償もない」と訴える。
https://news.yahoo.co.jp/articles/ed403e452bcb82b01f21221c14d628d12f136165