「なぜ日本人の給料が上がらないのか」について自工会の豊田章男会長がマスコミへ注文した内容がド正論だった…

 この30年間、日本経済は低成長を続けてきた。2022年11月に実施した日本自動車工業会の記者会見による資料では、この30年間で日本の実質GDPは約1.25倍にしか増加しておらず、他の先進諸国に比べると低い水準であり、その影響は主に「中間層の所得減」に現れているという。なぜ日本の労働者の給料は上がらないのか。その点について、トヨタ自動車の社長であり、日本自動車工業会の会長である豊田章男氏が、持論を語った。

 「今年の春闘(春季生活闘争)はどうなりますか?」

 年末が近づいたタイミングでの大手企業のトップや経済関連団体の記者会見では、定番の質問といっていいだろう。2022年11月17日に実施された日本自動車工業会の記者会見でも、質疑応答が始まると、指名された大手新聞社記者が「お約束のひとつ」という雰囲気でこの質問を自工会幹部へ投げかけた。

 「誠実に話し合いを進めてまいります」

 というような、通り一辺倒の回答が来るか、それとも物価高を背景にしたベースアップについてなど、具体的な話が出るか……記者側がそういった心の準備をしていたところ、「この回答はわたしから」とマイクを引き取った豊田章男会長から、非常に具体的かつマスコミ各社には耳の痛い(それでも文字通り痛快な)返答があったので、紹介したい。
https://news.yahoo.co.jp/articles/a3d188d4d467dd7ee7a989677ad48d937b297f1b