専門家 “ポーランドは軍事支援強化の流れつくる役割”

ゼレンスキー大統領が訪問したポーランドは、ドイツ製の主力戦車「レオパルト2」や旧ソビエト製のミグ29戦闘機をウクライナに供与するなど積極的に軍事支援を続けています。

ドイツのシンクタンクによりますと、国ごとのGDP=国内総生産に占める支援総額の割合はアメリカやドイツを上回っています。

ポーランドが支援に力を入れる背景について、ロシアに駐在した経験もあるポーランドの元外交官で外交評論家のビトルド・ユーラシュ氏はNHKの取材に対して「私たちは、ロシアが何たるかを知っている。ロシアの侵略に苦しんでいる人がいれば私たちは助ける」と述べました。

そのうえで「ポーランドとウクライナの見方は似ている。ロシアにウクライナの征服を許してしまえば、そこで止まることはないという圧倒的に強い確信がある」と述べ、ポーランドは、第2次世界大戦でソビエトに占領された歴史からロシアへの警戒感が強く、自国の安全保障のためにも支援の必要性を強く認識しているとしています。

そのうえで、ポーランドが「レオパルト2」の供与をいち早く表明し、慎重だったドイツが追随するかたちで表明したことに触れ、「ドイツやフランス、イタリアなどロシアに伝統的に近かった国も兵器を送り、ロシアをナイーブに見ることをやめた。この点でポーランドはかなり重要だ」と述べ、ポーランドは、軍事支援を強化する流れをつくる役割を担っていると強調しました。

さらにユーラシュ氏は「欧米の支援はウクライナが領土を部分的に奪還することを可能にしたが、すべての領土を取り戻すには十分ではない。ポーランドは、できる限りの兵器システムを供与するようアメリカを含む欧米側に圧力をかけたいと強く考えている」と述べ、ポーランド政府は引き続き各国に対して支援の強化を訴えていくとしています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230406/k10014030181000.html