映画「怪物」を傑作たらしめたもう1つの理由 坂元裕二による「分散性」「謎解き性」「時代性」

『怪物』は第76回カンヌ国際映画祭で脚本賞、クィア・パルム賞を受賞(写真:ABACA PRESS/時事通信フォト)

 観終わった瞬間、ヘトヘトになった。そう感じるほどヘヴィーな作品だった。そして、観てから数日経っても、子役2人の写真を見ると、
胸が締め付けられるような気分になる。このような映画体験は初めてだ。

 話題の映画『怪物』。2018年、第71回カンヌ国際映画祭で『万引き家族』で最高賞のパルムドールを受賞した是枝裕和監督の最新作。

 そして今回の『怪物』も、第76回カンヌ国際映画祭で脚本賞、クィア・パルム賞を受賞した。脚本は、「東京ラブストーリー」(1991年)、
「Mother」(2010年)、「カルテット」(2017年)、「大豆田とわ子と三人の元夫」(2021年)など、名作テレビドラマを量産し続けてきた人気脚本家・
坂元裕二の手による。

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