1991年のドラマ さくら家の人びと〜ちびまる子ちゃん一家のその後の生態〜 について、
さくらももこさんの元配偶者(元担当編集者)であるみーやんさんが語られています。
https://togetter.com/li/2313838

「セクシー田中さん」問題で思い出すのがNHKのドラマ「さくら家の人びと〜ちびまる子ちゃん一家のその後の生態〜」。
さくらももこ自ら脚本を書き下ろし、キャスティング案も提出し、祖父役をいかりや長介にして最後に「全員集合!」と仕切らせたり
画期的な内容にしたのに脚本もキャスティングも一切無視した酷い出来ドラマが「完成版」としてビデオで突然届いたのが放送数日前。
金沢という担当プロデューサーが「先生には叱られるかもしれませんが」と一筆添えられているだけ。
こちらはウブで「NHKが大々的に正月特番として放送するドラマを今さら差し止められない」と思いただ諦め「誰も観ないでほしい」と願うしかなかった。
90年暮れは「おどるポンポコリン」がレコード大賞受賞〜紅白歌合戦出場、明けた正月特番で
NHKとしては異例の民放の人気アニメに便乗したドラマスペシャルとして新聞や
TV雑誌でも鳴り物入りで大きく報じていたため当然多くの人が観た。
担当編集者(私)を演じたのは渡辺徹、さくらを演じたのは富田靖子。いずれもさくらの
中のイメージと全く違うキャスティング。現実のさくらの歩みをドラマ化というコンセプトなのに、
現実と異なり、担当編集者はさくらの前で放屁ばかりする意味不明の描かれ方でおまけに、
ラスト近くでさくらが「独り暮らしに際し祖母から渡されたお守り袋」を開けてみるとそこに入っていたのはコンドーム。
それを見たさくら(富田靖子)は、おばあちゃんの愛情と先見の明を感じほのぼのという、
これまた史実ではない名誉棄損レベルの描かれ方。
日本中のお茶の間で家族で観たであろう「お正月ファミリードラマ特番」の物語の重要場面でこのような下世話なオチはあり得ないし、
ちびまる子ちゃん一家を描くドラマには最もそぐわない。子供とドラマを一緒に観ていて
「お守りに入ってたアレ、何?」と訊かれ親は困ったはずだ。

こんな仕打ちを受けた当事者・原作者は他にも数知れずだが、制作サイドは「そういうもん」となし崩しで押し切ってきた。
だから今回の「セクシー田中さん」問題は(悲しすぎるが)抗議の死によって、版元窓口
も含め「当事者の声を尊重すべき」という当り前の事にようやく気づき始めた事件である